再生可能供給原料からの輸送燃料の製造
专利摘要:
再生可能供給原料(例えば、植物油や動物油)からディーゼル燃料沸点範囲生成物と航空燃料沸点範囲生成物を製造するための方法が開発された。その製造方法は、再生可能供給原料を水素化と脱酸素(4)によって処理して炭化水素フラクション(12)を得ることを含み、次いでこの炭化水素フラクションを異性化し、選択的にクラッキングして(12)、ディーゼル燃料沸点範囲生成物(46)と航空燃料沸点範囲生成物(45)を形成させる。ディーゼル燃料沸点範囲生成物(46)、航空燃料沸点範囲生成物(45)、ナフサ生成物(52)、LPG(50)、またはこれらの任意の組み合わせ物の一部を、必要に応じて選択的高温高圧水素ストリッパー(8)のおける精留剤として使用して、ストリッパーオーバーヘッド(14)中に移送される生成物を減少させることができる。 公开号:JP2011515539A 申请号:JP2011500884 申请日:2009-03-16 公开日:2011-05-19 发明作者:カルネス,トム・エヌ;ブレイディ,ジョン・ピー;マーカー,テリー・エル 申请人:ユーオーピー エルエルシー; IPC主号:C10G3-00
专利说明:
[0001] 本発明は、再生可能供給原料(例えば、植物油、魚油、動物性脂肪、および油脂等の物質中に見いだされるトリグリセリドや遊離脂肪酸)から、ディーゼル燃料や航空燃料として有用な炭化水素を製造するための方法に関する。本発明の方法は、少なくとも第1のゾーンでの水素化反応と脱酸素反応(脱炭酸反応、脱カルボニル反応、および/または水素化脱酸素反応)、および少なくとも第2のゾーンでの水素異性化反応と水素化分解反応を含む。水素異性化と水素化分解のゾーンに入る前に、水素化、脱炭酸、および/または水素化脱酸素のゾーンから少なくとも炭素酸化物を除去するために、選択的高温高圧水素ストリッパーが使用される。オーバーヘッドにおいて移送される生成物の量を少なくするために(これによりディーゼル燃料や航空燃料中のn−パラフィンの量が減少する)、必要に応じて、ディーゼル燃料沸点範囲流れ、ナフサ沸点範囲流れ、ナフサ・LPG沸点範囲流れ、またはこれらの任意の混合物が、選択的高温高圧水素ストリッパーにおける追加の精留剤(rectification agent)として使用される。] 背景技術 [0002] ディーゼル燃料や航空燃料の需要が世界的に増大するにつれて、これらの燃料を製造する上で原油以外の供給源に対する関心が益々高まってきている。このような供給源の1つが、再生可能供給原料と呼ばれているものである。これらの再生可能供給原料としては、コーン油、菜種油、キャノーラ油、大豆油、および藻油等の植物油;非食用タロー等の動物性脂肪;魚油;ならびに、黄色油脂、褐色油脂、および下水スラッジ等の種々の廃棄物流れ;などがあるが、これらに限定されない。これらの供給原料の一般的な特徴は、トリグリセリドと遊離脂肪酸(FFA)で構成されているという点である。これら化合物のどちらも、8〜24個の炭素原子を有する脂肪族炭素鎖を含有する。トリグリセリドまたはFFA中の脂肪族炭素鎖はさらに、モノ不飽和、ジ不飽和、またはポリ不飽和の場合がある。再生可能供給源からのグリセリドの一部は、トリグリセリドの代わりに、あるいはトリグリセリドに加えて、モノグリセリドまたはジグリセリドの場合がある。] [0003] 当業界には、オイルからの炭化水素の製造について開示している報告がある。例えば米国特許第4,300,009号は、植物油(例えばコーン油)をガソリン等の炭化水素とパラキシレン等の化学物質に転化させるのに、結晶質アルミノケイ酸塩ゼオライトを使用することを開示している。米国特許第4,992,605号は、キャノーラ油やヒマワリ油等の水素化植物油から、ディーゼル燃料沸点範囲の炭化水素物質を製造することを開示している。最後に、米国特許出願第2004/0230085A1号は、水素化脱酸素とそれに続く異性化によって、生物学的起源の炭化水素成分を処理するための方法を開示している。] [0004] 本明細書に記載されているのは、ディーゼル燃料沸点範囲生成物と航空燃料沸点範囲生成物を生成させるために、再生可能供給原料を水素化、脱酸素、異性化、および選択的に水素化分解する1つ以上の工程を含む方法である。水素化処理触媒の存在下で水素雰囲気において再生可能供給原料を単に水素化および脱酸素すると、供給原料の脂肪酸組成物と同等か、または該脂肪酸組成物よりやや短い鎖長を有する直鎖パラフィンが得られる。多くの供給原料の場合、このアプローチでは、ディーゼル燃料に対する一般的な規格には適合するが、航空燃料に対する規格には適合しない燃料が得られる。選択的水素化分解反応は、より低い分子量の生成物をできるだけ抑えつつ、航空燃料沸点範囲のパラフィンに対する選択性を高めるように炭素鎖長を短くする。リサイクル炭化水素と供給原料との体積比は0.1:1〜8:1の範囲であり、水素の溶解性を増大させ、且つ反応混合物中の反応熱をより均一に分散させるメカニズムをもたらす。リサイクルの結果として、実施態様によっては、より小さな反応器体積を、それほど過剰ではない水素を、より低い操作圧力を、またはこれらの任意の組み合わせを使用できるようになるであろう。] [0005] 異性化・選択的水素化分解触媒の性能は、異性化ゾーンおよび選択的水素化分解ゾーンへの供給物から少なくとも二酸化炭素を除去することによって改良される。酸素含有分子(水、二酸化炭素、および他の炭素酸化物を含む)が存在すると、異性化触媒の不活性化を引き起こすことがある。二酸化炭素、一酸化炭素、および水等の酸素含有分子は、必要に応じて精留ゾーンを収容する選択的高温高圧水素ストリッパーを使用して除去される。] [0006] 反応ゾーン中の供給原料を、n−パラフィンを含む第1の反応ゾーンの生成物をもたらす反応条件にて水素化・脱酸素することによって処理することを含む、再生可能供給原料からディーゼル燃料沸点範囲生成物と航空燃料沸点範囲生成物を生成させるためのヒドロ転化法。第1の反応ゾーンにおいて副生物として生じる二酸化炭素と水は、統合された高温高圧ストリッパーにおいて、水素をストリッピングガスとして使用して第1の反応生成物から選択的に除去される。ディーゼル燃料沸点範囲流れ、航空燃料沸点範囲流れ、ナフサ沸点範囲流れ、ナフサ・LPG沸点範囲流れ、またはこれらの任意の混合物を、必要に応じて、選択的高温高圧水素ストリッパーにおける精留剤として使用して、選択的高温高圧水素ストリッパーのオーバーヘッドにおいて移送される第1の反応ゾーンのディーゼル燃料範囲生成物と航空燃料範囲生成物の量を減少させることができる。水素を取り除いた第1反応ゾーン生成物を水素異性化・選択的クラッキング反応ゾーンに導入する。選択的水素化分解は、より長鎖のパラフィンの末端のC1〜C6フラグメントを優先的にクラッキングし、そして1分子当たりのクラッキング事象の数をできるだけ小さくすることによって、航空燃料沸点範囲生成物の生成を可能にする。所望の生成物(少なくとも、ディーゼル燃料沸点範囲生成物と航空燃料沸点範囲生成物)を回収する。] 図面の簡単な説明 [0007] 図1は、選択的高温高圧水素ストリッパーのオーバーヘッドにおいて移送される第1反応ゾーン生成物の量を減少させるよう、分岐パラフィン高含量生成物の一部を高温高圧水素ストリッパーに追加の精留剤として導く、というオプションを示す本発明の1つの実施態様の概略図である。 図2は、選択的高温高圧水素ストリッパーのオーバーヘッドにおいて移送される第1反応ゾーン生成物の量を減少させるよう、ディーゼル燃料沸点範囲生成物の一部を高温高圧水素ストリッパーに追加の精留剤として導く、というオプションを示す本発明の1つの実施態様の概略図である。 図3は、選択的高温高圧水素ストリッパーのオーバーヘッドにおいて移送される第1反応ゾーン生成物の量を減少させるよう、ナフサ沸点範囲生成物の一部を高温高圧水素ストリッパーに追加の精留剤として導く、というオプションを示す本発明の1つの実施態様の概略図である。 図4は、選択的高温高圧水素ストリッパーのオーバーヘッドにおいて移送される第1反応ゾーン生成物の量を減少させるよう、ディーゼル燃料範囲生成物の一部とナフサ沸点範囲生成物の一部を高温高圧水素ストリッパーに追加の精留剤として導く、というオプションを示す本発明の1つの実施態様の概略図である。] 図1 図2 図3 図4 実施例 [0008] 前述のように、本発明は、再生可能供給原料(例えば、植物や動物を起源とする供給原料)から、2つの炭化水素流れ(ディーゼル燃料沸点範囲生成物と航空燃料沸点範囲生成物)を製造するための方法に関する。再生可能供給原料という用語は、原油から得られるもの以外の供給原料を含むように意図されている。この種類の供給原料を表わすのに使用されている他の用語がバイオ再生可能油脂である。本発明において使用できる再生可能供給原料は、グリセリドと遊離脂肪酸(FFA)とを含む再生可能供給原料のすべてを含む。グリセリドのほとんどはトリグリセリドであるが、モノグリセリドやジグリセリドが存在していて、同様に処理されることがある。これらの処理に適した他の種類の化合物は、脂肪酸メチルエステル(FAME)や脂肪酸エチルエステル(FAEE)等の脂肪酸アルキルエステル(FAAE)である。これら再生可能供給原料の例としては、キャノーラ油、コーン油、豆油(soy oils)、菜種油(rapeseed oil)、大豆油(soybean oil)、菜種油(colza oil)、タル油、ヒマワリ油、麻実油、オリーブ油、アマニ油、ヤシ油、ヒマシ油、落花生油、パーム油、からし油、綿実油、カメリナ油、ジャトロファ油、ハマナ油、タロー、イエローグリースとブラウングリース、ラード、鯨油、乳脂肪(fats in milk)、魚油、藻油、および下水スラッジ等があるが、これらに限定されない。一般的な植物性脂肪または動物性脂肪のグリセリドとFFAは、8〜24個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素鎖をその構造中に含有し、油脂の大部分は、16個と18個の炭素原子を有する脂肪酸を高濃度にて含有する。再生可能供給原料と石油由来炭化水素との混合物またはコフィード(co-feeds)も、供給原料として使用することができる。特に上記供給原料と組み合わせてコフィード成分として使用することができる他の供給原料成分としては、使用済みモーターオイルと工業用潤滑油;使用済みパラフィンワックス;石炭ガス化から誘導される液体;バイオマス;下流にて液化工程(例えばフィッシャートロプシュ技術)が施される天然ガス;廃プラスチック(例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、および低密度ポリエチレン)の解重合、熱分解、または化学分解から誘導される液体;ならびに、石油化学プロセスや化学プロセスからの副生物として生成する他の合成油;などがある。上記供給原料の混合物も、コフィード成分として使用することができる。コフィード成分を使用することの1つの利点は、石油ベースのプロセスもしくは他のプロセスからの廃棄物であると見なされているものが、最新のプロセスに対する有用なコフィード成分に変換されることである。] [0009] 本発明において使用できる再生可能供給原料は、種々の不純物を含有してよい。例えば、タル油は、木材加工工業の副生成物であり、FFAのほかにエステルやロジン酸を含有する。ロジン酸は環状カルボン酸である。再生可能供給原料はさらに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム)やリンのほかに、固形物、水、および洗剤等の汚染物質を含有してよい。必要に応じて行われる第1の工程は、これらの汚染物質をできるだけ除去することである。1つの可能な前処理工程は、前処理ゾーンにおいて前処理条件にて、再生可能供給原料とイオン交換樹脂とを接触させることを含む。イオン交換樹脂は、アンバーリスト(Amberlyst)(商標)−15等の酸性イオン交換樹脂であり、供給原料が流れる(上向き流れであろうと、下向き流れであろうと)反応器中における層として使用することができる。] [0010] 汚染物質を除去するための他の可能な手段は、弱酸による洗浄である。これは、供給原料と酸性水溶液(例えば、硫酸水溶液、硝酸水溶液、リン酸水溶液、または塩酸水溶液等)とを反応器中にて接触させることによって行われる。酸と供給原料は、バッチプロセスでも、または連続プロセスでも接触させることができる。接触は、希薄酸性溶液を使用して、通常は周囲温度および大気圧にて行われる。接触が連続方式で行われる場合、通常は向流方式で行われる。供給原料から金属汚染物質を除去するさらに他の可能な手段は、当業界においてよく知られている保護層(guard beds)を使用することである。保護層は、ニッケルやコバルト等の脱メタル化(demetallation)触媒を組み込んだ、あるいは組み込まないアルミナ保護層を含んでよい。濾過法と溶媒抽出法は、使用することができる他の選択肢である。水素化処理[例えば、USAN11/770,826(参照により本明細書に含める)に記載の方法]は、使用することができる他の前処理方法である。] [0011] 再生可能供給原料を、1つ以上の触媒層を1つ以上の反応器中に含む第1反応ゾーンに流す。“供給原料”という用語は、汚染物質を除去すべく処理されていない供給原料のほかに、前処理ゾーンにおいて精製される供給原料も含むように意図されている。第1の反応ゾーンにおいて、供給原料と水素化触媒または水素化処理触媒とを、水素の存在下にて水素化条件で接触させて、n−パラフィン鎖のオレフイン部分または不飽和部分等の反応性成分を水素化する。水素化・水素化処理触媒は、当業界によく知られている水素化・水素化処理触媒(例えば、高表面積担体上に分散されたニッケルやニッケル/モリブデン)の任意の触媒でよい。他の水素化触媒としては、高表面積担体上に分散された1種以上の貴金属元素触媒がある。貴金属触媒の例としては、γ−アルミナまたは活性炭上に分散されたPtおよび/またはPdがある。水素化条件は、40℃〜400℃の温度、および689kPa(絶対圧)(100psia)〜13,790kPa(絶対圧)(2000psia)の圧力を含む。他の実施態様では、水素化条件は、200℃〜300℃の温度、および1379kPa(絶対圧)(200psia)〜4826kPa(絶対圧)(700psia)の圧力を含む。水素化ゾーンに対する他の操作条件は当業界によく知られている。] [0012] 上記の触媒はさらに、酸素を除去するよう、供給原料の脱炭酸反応、脱カルボニル反応、および/または水素化脱酸素反応を触媒することができる。本明細書では、脱炭酸反応、脱カルボニル反応、および水素化脱酸素反応を総称して脱酸素反応と呼ぶ。脱炭酸反応条件は、689kPa(100psia)〜6895kPa(1000psia)の比較的低い圧力、200℃〜400℃の温度、および0.5〜10hr−1の液空間速度を含む。他の実施態様では、脱炭酸反応条件は、689kPa(100psia)〜6895kPa(1000psia)という同様の比較的低い圧力、288℃〜345℃の温度、および1〜4hr−1の液空間速度を含む。水素化反応は発熱反応であるので、供給原料が触媒層を流れるにつれて温度が上昇し、脱炭酸反応と水素化脱酸素反応が起こり始める。したがって、すべての反応が、1つの反応器中もしくは1つの層において同時に起こると考えられ、このことは本発明の範囲内に含まれる。これとは別に、反応条件は、水素化反応が主として1つの層において起こり、そして脱炭酸反応および/または水素化脱酸素反応が別の層において起こるように制御することができる。当然のことながら、1つだけの層が使用される場合は、水素化反応が、主として層の前部において起こるのに対して、脱炭酸反応/水素化脱酸素反応は、主として層の中央部において起こる。最後に、所望の水素化反応を1つの反応器中で行うことができるのに対して、脱炭酸反応、脱カルボニル反応、および/または水素化脱酸素反応は、別の反応器にて行うことができる。しかしながら、脱酸素反応の順序は、本発明にとって重要なことではない。] [0013] 水素化反応と脱酸素反応からの反応生成物は、液体部分と気体部分の両方を含む。液体部分は、n−パラフィンを含んでいて、15〜18の炭素数範囲のパラフィンを高濃度にて有する炭化水素フラクションを含む。異なった供給原料からは、異なったパラフィン配分が得られる。この炭化水素フラクションの一部は、気体部分から分離した後に、上記の炭化水素リサイクルとして使用することができる。この炭化水素フラクションは、ディーゼル燃料またはディーゼル燃料ブレンド用成分として有用であるけれども、追加のプロセシングを使用して、さらなる燃料(例えば、一般には、9〜15の炭素数範囲のパラフィンをある濃度にて有する航空燃料または航空燃料ブレンド用成分)を製造することができる。さらに、炭化水素フラクションは実質的にすべてのn−パラフィンを含むので、コールドフロー特性が良くない。ディーゼル燃料、航空燃料、ディーゼル燃料ブレンド用成分、および航空燃料ブレンド用成分の多くは、より良好なコールドフロー特性を有していなければならず、したがって、反応生成物を異性化条件下にてさらに反応させて、n−パラフィンの少なくとも一部を分岐パラフィンに異性化させる。] [0014] 気体部分は、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気、プロパン、そしてことによると、イオウ成分(例えば硫化水素)、窒素成分(例えばアンモニア)、またはリン成分(例えばホスフィン)を含む。脱酸素ゾーンからの流出物を高温高圧水素ストリッパーに導く。高温高圧水素ストリッパーの1つの目的は、流出物の気体部分の少なくとも一部を、流出物の液体部分から選択的に分離することである。水素は、コストを節減する上で高価な資源であるので、分離した水素を、脱酸素反応器を収容する第1の反応ゾーンに再循環する。さらに、流出物からの水、一酸化炭素、および二酸化炭素の除去がうまくいかないと、異性化ゾーンにおける触媒性能が低下することがある。水、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア(存在する場合)、または硫化水素を、水素を使用する高温高圧水素ストリッパーにおいて選択的にストリップする。ストリッピングのために使用される水素は、乾燥していて、炭素酸化物を含有しない水素であってよい。温度は、所望の分離を達成すべく限定された範囲にて制御することができ、また圧力は、投資コストと運転コストをできるだけ少なくするために、2つの反応ゾーンとほぼ同じ圧力に保持することができる。高温高圧水素ストリッパーは、689kPa(絶対圧)(100psia)〜13,790kPa(絶対圧)(2000psia)の範囲の圧力、および40℃〜350℃の範囲の温度という条件にて運転することができる。他の実施態様においては、高温高圧水素ストリッパーは、1379kPa(絶対圧)(200psia)〜4826kPa(絶対圧)(700psia)の範囲の圧力、または2413kPa(絶対圧)(350psia)〜4882kPa(絶対圧)(650psia)の範囲の圧力、および50℃〜350℃の範囲の温度という条件にて運転することができる。高温高圧水素ストリッパーは、反応ゾーンと実質的に同じ圧力にて運転することができる。“実質的に”とは、高温高圧水素ストリッパーの運転圧力が、反応ゾーンの運転圧力の1034kPa(絶対圧)(150psia)以内であるということが意図されている。例えば、1つの実施態様においては、高温高圧水素ストリッパーの分離ゾーンの圧力は、反応ゾーンの圧力より低くて1034kPa(絶対圧)(150psia)以下である。] [0015] 流出物が高温高圧水素ストリッパーに流入し、気体成分の少なくとも一部が、水素ストリッピングガスと共に移送されて、オーバーヘッド流れ中に分離される。脱酸素ゾーンの流出流れの残部は、高温高圧水素ストリッパーボトムとして除去され、8〜24個の炭素原子を有するノルマル炭化水素等の成分を有する液体炭化水素フラクションを含有する。高温高圧水素ストリッパーボトム中の液体炭化水素フラクションの一部は、後述のリサイクル炭化水素として使用することができる。] [0016] 脱酸素ゾーンにおいて生じるより軽質の炭化水素の一部をさらに、高温高圧水素ストリッパー中の水素と共に移送し、オーバーヘッド流れ中に除去することができる。オーバーヘッド中に除去された炭化水素は、異性化ゾーンを効果的にバイパスする(後述)。異性化ゾーンをバイパスする炭化水素の大部分は、異性化段階をバイパスすることにより分岐炭化水素に異性化されないノルマル炭化水素である。これらノルマル炭化水素の少なくとも一部は、最終的にはディーゼル燃料沸点範囲生成物や航空燃料沸点範囲生成物になり、生成物に対して要求される規格に応じて、ノルマル炭化水素は、ディーゼル燃料沸点範囲生成物と航空燃料沸点範囲生成物に望ましくない影響を及ぼすことがある。例えば、ディーゼル燃料沸点範囲生成物が特定曇り点の規格に適合する必要がある場合の用途、あるいは航空燃料沸点範囲生成物が特定凝固点の規格に適合する必要がある場合の用途においては、高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッドからのノルマル炭化水素は、必要とされる規格の適合に支障をきたすかもしれない。したがって用途によっては、ノルマル炭化水素が高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッド中に除去されないようにする対策を、そしてノルマル炭化水素が異性化ゾーンをバイパスしないようにする対策を講じるのが有利である。例えば、1種以上の追加精留剤または追加精留剤の混合物を、必要に応じて高温高圧水素ストリッパー中に導入して、高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッド流れ中の炭化水素の量を少なくすることができる。追加精留剤の適切な例としては、ディーゼル燃料沸点範囲生成物、航空燃料沸点範囲生成物、ナフサ沸点範囲生成物、ナフサとLPGとの混合物、またはこれらの任意の組み合わせ物などがある。これらの流れは、脱酸素ゾーンの流出物導入位置より上のストリッパーの位置にて、そして精留ゾーンにおいて、高温高圧水素ストリッパーに再循環したり、導入したりすることができる。精留ゾーン(存在する場合)は、精留の効率を高めるために気液接触装置(例えば、トレーや充填物)を収容してよい。任意の精留剤は、脱酸素ゾーンからの増大量の炭化水素生成物を、高温高圧水素ストリッパーにおいて強制的に下方に移動させるように作用し、ストリッピング水素ガスと共に高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッド中に移送されるのではなく、高温高圧水素ストリッパーボトム流れ中に除去される。無関係の供給源からの他の精留剤を、ディーゼル燃料沸点範囲生成物、ナフサ沸点範囲生成物、およびナフサ・LPG流れの代わりに、あるいはこれらと組み合わせて使用することができる。] [0017] 水素は、上記反応の少なくとも一部における反応物であり、触媒反応に最も効果的に関与するために、十分な量の水素が溶液中に存在しなければならない。これまでのプロセスは、溶液中に所望量の水素を達成するために、そして反応に容易に利用できるように、高圧にて操作した。しかしながら、より高圧の操作は、より低圧の操作と比較して、構築するのに、そして運転するのにより多くのコストがかかる。本発明の1つの利点は、運転圧力が1379kPa(絶対圧力)(200psia)〜4826kPa(700psia)の範囲(他の従来の運転において見られる圧力より低い)であってよいという点である。他の実施態様では、運転圧力は2413kPa(絶対圧)(350psia)〜4481kPa(絶対圧)(650psia)の範囲であり、さらに他の実施態様では、運転圧力は2758kPa(絶対)(400psia)〜4137kPa(絶対圧)(600psia)の範囲である。さらに、反応速度が増大し、その結果、所定の時間にて反応器を通過する物質の処理量が増大する。] [0018] 1つの実施態様では、脱酸素反応ゾーンへの多量のリサイクル炭化水素を使用することによって、所望量の水素がより低い圧力にて溶液中に保持される。他のプロセスは、反応が発熱反応であるので、反応ゾーン中の温度を制御するためにリサイクル炭化水素を使用している。しかしながら、ここで使用されるリサイクル炭化水素対供給原料比の範囲は、温度制御の要件に基づいてではなく、水素溶解度の要件に基づいて決定される。水素は、供給原料に対してよりも、炭化水素生成物に対して溶解度がより高い。多量のリサイクル炭化水素を使用することによって、反応ゾーンにおける合流液相中への水素の溶解度が大幅に増大し、溶液中の水素の量を増大させるのにより高い圧力は必要とされない。本発明の1つの実施態様では、リサイクル炭化水素対供給原料の体積比は1:1もしくは2:1〜8:1である。他の実施態様では、この比は3:1〜6:1の範囲であり、さらに他の実施態様では、この比は4:1〜5:1の範囲である。] [0019] 高温高圧水素ストリッパーにおいて分離される炭化水素フラクションは、ディーゼル燃料またはディーゼル燃料ブレンド用成分として有用であるけれども、本質的にn−パラフィンを含むので、コールドフロー特性が良くない。さらに、供給原料に応じて、航空燃料または航空燃料ブレンド用成分に適した炭化水素の量が少ないことがある。したがって、n−パラフィンを少なくともある程度は分岐パラフィンに異性化させるために、そして液体炭化水素フラクションのコールドフロー特性を改良するために、炭化水素フラクションと異性化触媒とを異性化条件下にて接触させる。異性化触媒の種類と運転条件は、異性化触媒がパラフィンの選択的水素化分解を触媒するように選択される。選択的水素化分解により、航空燃料沸点範囲の炭化水素がもたらされる。第2の反応ゾーン、異性化ゾーン、および選択的水素化分解ゾーンの流出物は分岐パラフィン高含量流れである。“高含量の(enriched)”という用語は、流出物流れが、異性化ゾーンに流入する流れより高濃度の分岐パラフィンを含有し、好ましくは50質量%より高い分岐パラフィンを含む、ということが意図されている。異性化ゾーンの流出物は、70、80、または90質量%の分岐パラフィンを含有することがある、と考えられる。異性化と選択的水素化分解は、同じ反応器の別々の層において行うこともできるし(前述)、あるいは別個の反応器において行うこともできる。説明を簡略化するため、下記に、異性化反応と選択的水素化分解反応のために第2の反応器が使用されるという実施態様について記載する。脱酸素反応ゾーンの水素除去生成物と異性化・選択的水素化分解触媒とを、水素の存在下で異性化・選択的水素化分解条件にて接触させて、ノルマルパラフィンの少なくとも一部を分岐パラフィンに異性化させる。水素が存在することにより、これらの反応は、水素異性化反応や水素化分解反応と呼ぶことができる。] [0020] パラフィン生成物の異性化反応と選択的水素化分解反応は、当業界に公知の任意の方法にしたがって果たすこともできるし、あるいは当業界に公知の任意の適切な触媒を使用することによって果たすこともできる。触媒の1つ以上の層を使用することができる。異性化は、並流モードにて操作するのが好ましい。固定層、下降流モードのトリクルベッド、そして上向流モードの液体充填固定層は、いずれも適している。さらに、例えば米国特許出願第2004/0230085A1号(該特許出願の全開示内容を参照により本明細書に含める)を参照のこと。異性化反応と選択的水素化分解反応の両方を触媒するためには、酸機能と温和な水素化機能とを有する触媒が有利である。適切な触媒は、周期表の第VIII族の金属(IUPAC8−10)と担体物質を含む。適切な第VIII族金属は、白金とパラジウム(いずれも、単独でも、組み合わせても使用することができる)を含む。担体物質は、非晶質物質であっても、結晶質物質であっても、あるいはこれら二つの組み合わせ物であってもよい。適切な担体物質としては、アルミナ、非晶質シリカ・アルミナ、フェリエ沸石、ALPO−31、SAPO−11、SAPO−31、SAPO−37、SAPO−41、SM−3、MgAPSO−31、FU−9、NU−10、NU−23、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48、ZSM−50、ZSM−57、MeAPO−11、MeAPO−31、MeAPO−41、MeAPSO−11、MeAPSO−31、MeAPSO−41、MeAPSO−46、ELAPO−11、ELAPO−31、ELAPO−41、ELAPSO−11、ELAPSO−31、ELAPSO−41、濁沸石、カンクリナイト、オフレット沸石、束沸石の水素形、モルデン沸石のマグネシウム形もしくはカルシウム形、およびパルテ沸石のマグネシウム形もしくはカルシウム形(これらはいずれも、単独でも、組み合わせでも使用することができる)などがある。ALPO−31は米国特許第4,310,440号に記載されている。SAPO−11、SAPO−31、SAPO−37、およびSAPO−41は、米国特許第4,440,871号に記載されている。SM−3は、米国特許第4,943,424号、米国特許第5,087,347号、米国特許第5,158,665号、および米国特許第5,208,005号に記載されている。MgAPSOはMeAPSOであって、これはアルミニウムケイリン酸金属モレキュラーシーブ(a metal aluminumsilicophosphate molecular sieve)に対する頭字語であり、ここで金属Meはマグネシウム(Mg)である。適切なMeAPSO−31触媒としてはMgAPSO−31がある。MeAPSOについては米国特許第4,793,984号に記載されており、MgAPSOについては米国特許第4,758,419号に記載されている。好ましいMgAPSOがMgAPSO−31であり、ここで31は構造タイプ31を有するMgAPSOを意味している。最初に小さな細孔径を有する多くのゼオライト(例えばフェリエ沸石)は、実質的な水素形が得られるよう、結合しているアルカリ金属やアルカリ土類金属をアンモニウムイオン交換と焼成により除去することによって、選択的水素化分解と異性化に適した形態に転化させることができる(米国特許第4,795,623号と米国特許第4,924,027号に開示)。骨格異性化のためのさらなる触媒と反応条件が、米国特許第5,510,306号、米国特許第5,082,956号、および米国特許第5,741,759号に開示されている。] [0021] 異性化・選択的水素化分解触媒はさらに、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、リン、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される変性剤を含んでよい(米国特許第5,716,897号と米国特許第5,851,949号に開示)。他の適切な担体物質としては、ZSM−22、ZSM−23、およびZSM−35があり、米国特許第5,246,566号および“ワックス異性化による潤滑油脱ろうのための新規モレキュラーシーブ法”[S. J. Miller, Microporous Materials 2 (1944) 439-449]と題する論文において、これらの物質が、脱ろうでの使用に関して説明されている。米国特許第4,310,440号、米国特許第4,440,871号、米国特許第4,793,984号、米国特許第4,758,419号、米国特許第4,943,424号、米国特許第5,087,347号、米国特許第5,158,665号、米国特許第5,208,005号、米国特許第5,246,566号、米国特許第5,716,897号、および米国特許第5,851,949号の開示内容を参照により本明細書に含める。] [0022] 米国特許第5,444,032号と米国特許第5,608,968号は、アモルファスのシリカ−アルミナゲルと第VIIIA族に属する1種以上の金属によって構成されていて、16個以上の炭素原子を含有する長鎖ノルマルパラフィンの水素異性化に対して有効である適切な二官能性触媒を開示している。活性炭触媒担体も使用することができる。米国特許第5,981,419号と米国特許第5,908,134号は、(a)ボロシリケート(BOR−B)とボロアルミノシリケート(Al−BOR−B)(SiO2:Al2O3比が300:1より大きい)から選択されるβ−ゼオライトと同型構造の多孔性結晶質物質;および(b)0.05〜5重量%の範囲の量の、白金とパラジウムから選択される第VIIIA族に属する1以上の金属;を含む適切な二官能性触媒を開示している。V.Calemmaらの論文[App. Catal. A: Gen., 190(2000), 207]は、さらに他の適切な触媒を開示している。] [0023] 異性化・選択的水素化分解触媒は、当業界によく知られている触媒(例えば、上記したもの)のいずれであってもよい。異性化反応と選択的水素化分解反応の条件は、150℃〜360℃の温度、および1724kPa(絶対圧)(250psia)〜4726kPa(絶対圧)(700psia)の圧力を含む。他の実施態様では、異性化反応条件は、300℃〜360℃の温度、および3102kPa(絶対圧)(450psia)〜3792kPa(絶対圧)(550psia)の圧力を含む。異性化・選択的水素化分解ゾーンに対する他の操作条件は、当業界においてよく知られている。公知の異性化触媒の幾つかは、よりきびしい条件下で操作すると、選択的水素化分解触媒機能ももたらす。] [0024] 異性化・選択的クラッキングゾーンからの流出物を1つ以上の分離工程により処理して、2つの精製された炭化水素流れ(1つは、ディーゼル燃料またはディーゼル燃料ブレンド用成分として有用であり、もう1つは、航空燃料または航空燃料ブレンド用成分として有用である)を得る。用途に応じて、異なった個別の燃料に対して要求される規格に適合させるために、種々の添加剤を、生成したディーゼル燃料組成物または航空燃料組成物と組み合わせることができる。特に、ここで得られる航空燃料組成物は、航空タービン燃料Defense Stan91−−91タービン燃料(航空ケロシンタイプ、JetA−1 NATOコードF−35、F−34、F−37)に対するASTMD1655規格;ジュイントリー・オペレーテッド・システムズに対する航空燃料品質要件(ジョイント・チェックリスト);ASTMとDef Stan要件との組み合わせ(GOST10227);ジェット燃料規格(ロシア);カナダCAN/CGSB−3.22航空タービン燃料;ワイドカットタイプのカナダCAN/CGSB−3.23航空タービン燃料;ケロシンタイプのMIL−DTL−83133、JP−8、MIL−DTL−5624、JP−4、JP−5、QAV−1(ブラジル);GB6537 DCSEA 134A(フランス)Cabureacteur Pour Tubomachines D’AviationによるEspecifcacao de Querosene de Aviacao No.3ジェット燃料(中国);他の国のケロシンタイプ航空タービン燃料(航空タービン燃料規格に対するIATAガイダンスマテリアルに記載の、JetA、JetA−1、JetB、およびTS−1燃料に対する一般グレード要件に適合している);の少なくとも1つを満たし、または、少なくとも1つのためのブレンド用成分であり、または、少なくとも1つを満たすために1種以上の添加剤と組み合わせることができる。航空燃料は、本明細書では一般に“ジェット燃料”と呼び、“ジェット燃料”という用語は、上記の規格に適合する航空燃料を含むだけでなく、上記の規格に適合する航空燃料のブレンド用成分として使用される航空燃料も含むように意図されている。特定の規格に適合させるために、添加剤をジェット燃料に加えることができる。1つの特定のタイプのジェット燃料がJP−8(軍用規格MIL−DTL−83133により規定)であり、これは、高度に精製されたケロシンをベースとする、ミリタリーグレードタイプのジェット燃料(米国政府により規定)である。グリセリドやFAAから得られる燃料は、イソパラフィン系ケロシン(iPK)[合成ジェット燃料または合成パラフィン系ケロシン(SPK)としても知られている]に極めて類似している。] [0025] 種々のタイプの燃料に対する規格は、燃料の許容しうる範囲の化学的・物理的要件によって表示されることが多い。前述したように、航空タービン燃料(JP−8を含むケロシンタイプの燃料)はMIL−DTL−83133によって規定され、JP−4(ガソリンとケロシンと軽質留分とのブレンド)はMIL−DTL−5624によって規定され、そしてJP−5(低揮発性で高引火点を有するケロシンタイプの燃料)もMIL−DTL−5624によって規定されている(記載のそれぞれの規格は定期的に改訂される)。回収10%から最終沸点までの蒸留範囲が、種々のタイプの燃料を規定する主要パラメーターとして使用されることが多い。蒸留範囲は通常、ASTM試験法D86またはD2887によって測定される。したがって、規格に適合させるべく種々の成分をブレンドするのは、極めて一般的なことである。本発明の生成物は燃料規格に適合するとはいえ、所望のセットの燃料規格に適合させるためには、本発明の生成物と他のブレンド用成分とのブレンドが必要とされることがある、と思われる。言い換えると、本発明の航空燃料生成物は、航空燃料(例えばJP−8)に対する規格の少なくとも1つに適合する燃料を形成させるために、他の成分と共に使用することができる組成物である。所望の生成物は、75容量%以上のパラフィン含量を有する、高度にパラフィン性の蒸留物燃料成分である。] [0026] 液体成分と気体成分を含む異性化・選択的水素化分解ゾーンの流出物流れ(その種々の部分をリサイクルすることができる)の場合は、複数の分離工程を使用することができる。例えば、水素を、最初に異性化ゾーン流出物分離器において分離することができ、この分離された水素がオーバーヘッド流れ中に除去される。異性化ゾーン流出物分離器の適切な操作条件は、例えば、230℃の温度と4100kPa(絶対圧)(600psia)の圧力を含む。存在する二酸化炭素の濃度が低ければ、あるいは二酸化炭素が除去されれば、水素を高温高圧水素ストリッパーにリサイクルして、精留ガスとして、およびボトム流れとしての残部と合流させるべく使用したりすることができる。残部が異性化反応ゾーンに送られ、したがって水素が、反応器に対する必要な水素分圧をもたらすように、異性化反応ゾーン供給流れの成分になる。水素はさらに、脱酸素反応器における反応物であり、それぞれの供給原料が種々の量の水素を消費する。異性化ゾーン流出物分離器は、第1の反応ゾーンにおいて多量の水素が消費されるときでも稼動するように、プロセスに対する適応性を高める。さらに、異性化ゾーン流出物分離器の残部またはボトム流れの少なくとも一部を異性化反応ゾーンにリサイクルして、異性化の程度を高めることができる。] [0027] 水素を除去した後の異性化ゾーン流出物の残部は、まだ液体成分と気体成分を含んでおり、空冷や水冷等の方法によって冷却され、低温の分離器に送られ、そこで液体成分が気体成分から分離される。低温分離器の適切な操作条件は、例えば、20℃〜60℃の温度および3850kPa(絶対圧)(560psia)の圧力を含む。水副生物流れも分離される。液体成分の少なくとも一部を、冷却して気体成分から分離した後に、異性化ゾーンにリサイクルして異性化の程度を高めることができる。低温分離器に流入する前に、異性化・選択的水素化分解ゾーン流出物の残部を高温高圧水素ストリッパーのオーバーヘッド流れと合流させることができ、こうして得られる合流流れを低温分離器中に導入することができる。] [0028] 液体成分は、ディーゼル燃料またはディーゼル燃料ブレンド用成分として有用な、そして航空燃料または航空燃料ブレンド用成分として有用な炭化水素(それぞれ、ディーゼル燃料沸点範囲生成物および航空燃料沸点範囲生成物と呼ばれる)のほかに、より少量のナフサとLPGを含有する。分離された液体成分が、生成物蒸留ゾーンにおいてさらに精製される。生成物蒸留ゾーンでは、より低沸点の成分と溶解気体がLPG・ナフサ流れ、航空燃料沸点範囲生成物、およびディーゼル燃料沸点範囲生成物に分離される。生成物蒸留ゾーンの適切な操作条件は、オーバーヘッドにおける20〜200℃の温度、および0〜1379kPa(絶対圧)(0〜200psia)の圧力を含む。蒸留ゾーンの条件は、航空燃料沸点範囲生成物流れとディーゼル燃料沸点範囲生成物流れ中に含まれる炭化水素の相対量を制御するように調整することができる。] [0029] LPGをオーバーヘッド流れ中に分離するために(ナフサがボトム流れ中に残る)、LPG・ナフサ流れを脱ブタン装置または脱プロパン装置にてさらに分離することができる。この装置の適切な操作条件は、オーバーヘッドにおける20〜200℃の温度、および0〜2758kPa(絶対圧)(0〜400psia)の圧力を含む。LPGは、有用な生成物として販売することもできるし、あるいは他のプロセスにおいて使用することもできる(例えば、水素製造設備への供給物として)。同様に、ナフサも他のプロセスにおいて使用することができる(例えば、水素製造設備への供給物として)。] [0030] 生成物分離器において分離される気体成分は通常、水素と脱炭酸反応からの二酸化炭素を含む。一酸化炭素、プロパン、および硫化水素もしくは他のイオウ含有成分等の他の成分がさらに存在してよい。水素を異性化ゾーンにリサイクルするのが望ましいが、二酸化炭素が除去されない場合は、二酸化炭素の濃度が速やかに増大し、異性化ゾーンの操作に影響を及ぼす。二酸化炭素は、当業界によく知られている方法(例えば、高温の炭酸塩溶液との反応や圧力スイング吸着等)によって水素から除去することができる。同時係属の米国特許出願USAN12/193,176とUSAN12/193,196(これらの特許出願を参照により本明細書に含める)に開示のように、アミン吸着剤を使用することができる。必要に応じて、使用済みの吸着媒体を再生することによって、実質的に純粋な二酸化炭素を回収することができる。] [0031] 同様に、脱酸素触媒の硫化状態を保持するために、あるいは脱炭酸反応と水素化反応(どちらも脱酸素ゾーンにおいて起こる)の相対的な量を制御するために、硫化水素等のイオウ含有成分が存在してよい。イオウの量は抑制されるのが通常であり、したがって水素をリサククルする前にイオウ含有成分を除去しなければならない。イオウ含有成分は、アミンによる吸着や苛性アルカリによる洗浄等の方法を使用して除去することができる。言うまでもないが、使用する方法に応じて、二酸化炭素、イオウ含有成分、および他の成分は、水素選択膜等の単一の分離工程にて除去することができる。] [0032] 少なくとも二酸化炭素の除去後に残留している水素を、反応ゾーン(主として水素化が行われる)および/または後続する任意の層もしくは反応器にリサイクルすることができる。リサイクル流れを、反応ゾーンの入口および/または後続する任意の層もしくは反応器に導入することができる。炭化水素リサイクルの1つの利点は、個々の層の端から端までの温度上昇を制御できることである。しかしながら、上記したように、炭化水素リサイクルの量は、反応ゾーンにおける所望の水素溶解度に基づいて決定することができる(温度制御のために使用される量より多い)。反応混合物中への水素の溶解度を高めると、より低い圧力での適切な操作が可能となり、したがってコスト低減が可能となる。] [0033] 前述したように、ディーゼル燃料沸点範囲生成物の少なくとも一部、航空燃料沸点範囲生成物の少なくとも一部、LPG・ナフサ流れの少なくとも一部、LPG・ナフサ流れをLPG流れとナフサ流れとに分けることによって生じるナフサ流れもしくはナフサ流れの少なくとも一部、あるいはこれらの任意の組み合わせを、高温高圧水素ストリッパーの任意の精留ゾーンにリサイクルすることができる。] [0034] 以下に実施態様を挙げて本発明を説明するが、特許請求の範囲に記載の本発明の一般的に広い範囲が、これらの実施態様によって必要以上に限定されることはないものとする。本発明の方法の最初の1つの実施態様を、図1を参照しつつ概略的に説明する。次いで、本発明の方法の同じ実施態様を、図2を参照しつつより詳細に説明する。他の実施態様を、図3と図4を参照しつつ説明する。航空燃料沸点範囲生成物の少なくとも一部を高温高圧水素ストリッパーの任意の精留ゾーンにリサイクルするという実施態様は、図面には示されていないが、当業者であれば、示されている実施態様から容易に推定することができる。] 図1 図2 図3 図4 [0035] 図1によれば、再生可能供給原料102が、リサイクル水素126と共に脱酸素反応ゾーン104に流入する。脱酸素生成物106が、水素114aを使用して高温高圧水素ストリッパーにおいてストリッピングされる。炭素酸化物と水蒸気を、オーバーヘッドにおいて水素と共に除去する。選択的にストリッピングされた脱酸素生成物を、リサイクル水素126aおよび補給水素114bと共に異性化・選択的水素化分解ゾーン116に送る。異性化・選択的水素化分解生成物118とオーバーヘッド110とを合わせ、生成物回収ゾーン120に送る。炭素酸化物流れ128、軽質エンド流れ(light end stream)130、水副生物流れ124、水素流れ126、第1の分岐パラフィン高含量生成物122、および第2の分岐パラフィン高含量生成物123を、生成物回収ゾーン120から回収する。第1の分岐パラフィン高含量生成物122は、ディーゼル燃料またはディーゼル燃料ブレンド用成分として使用するために収集することができ、第2の分岐パラフィン高含量生成物121は、航空燃料または航空燃料ブレンド用成分として使用するために収集することができ、そして水素流れ126が脱酸素反応ゾーン104にリサイクルされる。必要に応じて、分岐パラフィン高含量生成物122の一部が、ライン125にて高温高圧水素ストリッパー8の任意の精留ゾーン123に送られ、精留剤として使用される。] 図1 [0036] 図2によれば、任意の供給サージドラムを通過する再生可能供給原料流れ2からプロセスが始まる。供給原料流れを、リサイクルガス流れ68およびリサイクル流れ16と合わせて合流供給流れ20を形成させ、これを反応器流出物と熱交換させ、次いで脱酸素反応器4中に導入する。熱交換は、リサイクル流れと供給物とが合流する前に行っても、あるいは後に行ってもよい。脱酸素反応器4は、図2において4a、4b、および4cとして示すように複数の層を収容してよい。脱酸素反応器4は、供給原料の脱炭酸反応および/または水素化脱酸素反応を触媒して酸素を除去することができる少なくとも1種の触媒を収容する。脱炭酸反応および/または水素化脱酸素反応の生成物を含有する脱酸素反応器流出物流れ6が、脱酸素反応器4から取り出され、脱酸素反応器への供給物を含有する流れ20と熱交換される。流れ6は、ディーゼル燃料沸点範囲のノルマルパラフィン炭化水素を主として含有する液体成分、ならびに水素、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、およびプロパンを主として含有する気体成分を含む。] 図2 [0037] 次いで、脱酸素反応器流出物流れ6を高温高圧水素ストリッパー8に送る。ライン10における補給水素を2つの部分(流れ10aと流れ10b)に分ける。流れ10aにおける補給水素を高温高圧水素ストリッパー8に導入する。高温高圧水素ストリッパー8において、補給水素10aとリサイクル水素28を使用して、脱酸素反応器流出物6の気体成分を、脱酸素反応器流出物6の液体成分から選択的にストリッピングする。水素、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、およびプロパンの少なくとも一部を含む溶解した気体成分が、高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッド流れ14中に選択的に分離される。8〜24の炭素数を有するノルマルパラフィンを主として含む脱酸素反応器流出物6の残留液体成分(セタン価が60〜100)が、高温高圧水素ストリッパーボトム12として取り出される。] [0038] 高温高圧水素ストリッパーボトムの一部がリサイクル流れ16を形成し、再生可能供給原料流れ2と合流して合流供給物20をもたらす。リサイクル流れ16と任意流れ16aの他の一部を脱酸素反応器4に直接送ることができ、そして段間の場所(例えば、順に4aと4bの間もしくは4bと4cの間)に、例えば、温度制御に役立つように、導入することができる。高温高圧水素ストリッパーボトム流れ12の残部と水素流れ10bとを合流させて合流流れ18を形成させ、これを異性化・選択的水素化分解反応器22に送る。流れ18は、異性化反応流出物24と熱交換することができる。] [0039] 水素およびプロパンの気体部分と分岐パラフィン高含量の液体部分とを含有する異性化・選択的水素化分解反応器の生成物をライン24において取り出し、流れ18との任意の熱交換の後に、水素分離器26中に導入する。水素分離器26からのオーバーヘッド流れ28は主として水素を含有し、これを高温高圧水素ストリッパー8にリサイクルすることができる。水素分離器26からのボトム流れ30を、空気冷却器32を使用して空冷し、生成物分離器34中に導入する。生成物分離器34では、水素、一酸化炭素、硫化水素、二酸化炭素、およびプロパンを含む流れの気体部分を流れ36にて取り出すと同時に、流れの液体炭化水素部分を流れ38にて取り出す。水副生物流れ40も、生成物分離器34から取り出すことができる。流れ38を生成物ストリッパー42に導入し、そこで相対的により高い揮発性を有する成分が流れ44中に分離され、航空燃料の沸点範囲内の成分が流れ45にて取り出され、残部(ディーゼル燃料沸点範囲成分)が、ライン46にて生成物ストリッパー42から取り出される。必要に応じて、ディーゼル燃料沸点範囲成分の一部を、ライン46にて高温高圧水素ストリッパー8の任意の精留ゾーン23にリサイクルし、追加の精留剤として使用する。流れ44を分留装置48中に導入する。分留装置は、LPGをオーバーヘッド50に分離してナフサボトム52を残すように作動する。任意のライン72、74、または76のいずれも、異性化ゾーン流出物の少なくとも一部を異性化ゾーンにリサイクルして、分岐パラフィンに異性化されるn−パラフィンの量を増大させるのに使用することができる。] [0040] 生成物分離器34からの蒸気流れ36は、異性化流出物の気体部分(少なくとも水素、一酸化炭素、硫化水素、二酸化炭素、およびプロパンを含む)を含有し、二酸化炭素と硫化水素を蒸気流れから分離すべくアミン吸着装置のシステムに送られる。水素のコストという観点から、水素を脱酸素反応器4にリサイクルするのが望ましいが、二酸化炭素または過剰のイオウを含有する成分を循環させるのは望ましくない。イオウ含有成分と二酸化炭素を水素から分離するために、蒸気流れ36を、少なくとも2つのアミン吸着装置のシステム(スクラバーとも呼ばれ、第1のアミン吸着装置ゾーン56から始まる)に通す。第1のアミンスクラバー56において使用されるように選定されるアミンは、少なくとも問題の成分である二酸化炭素とイオウ成分(例えば硫化水素)とを選択的に除去することができる。適切なアミンがダウ社やBASF社から市販されており、1つの実施態様においては、アミンは促進された(promoted)もしくは活性化された(activated)メチルジエタノールアミン(MDEA)である[米国特許第6,337,059号(該特許の全開示内容を参照により本明細書に含める)を参照]。ダウ社から市販の第1のアミン吸着装置ゾーンのための適切なアミンは、UCARSOL(商標)APシリーズ溶媒(例えば、AP802、AP804、AP806、AP810、およびAP814)を含む。二酸化炭素と硫化水素がアミンによって吸着される一方で、水素が第1のアミンスクラバーゾーンを通過してライン68中に進み、第1の反応ゾーンにリサイクルされる。アミンは再生され、二酸化炭素と硫化水素が放出されて、ライン62にて取り出される。第1のアミン吸着装置ゾーン内で再生されたアミンを、再使用するためにリサイクルすることができる。ライン62における放出された二酸化炭素と硫化水素を、硫化水素に対しては選択的であるが、二酸化炭素に対しては非選択的のアミンを収容する第2のアミンスクラバーゾーン58に通す。この場合も、適切なアミンがダウ社やBASF社から市販されており、1つの実施態様においては、アミンは促進もしくは活性化されたMDEAである。ダウ社から市販の第2のアミン吸着装置ゾーンのための適切なアミンは、UCARSOL(商標)HSシリーズ溶媒(例えば、HS101、HS102、HS103、HS104、およびHS115)を含む。したがって二酸化炭素は、第2のアミンスクラバーゾーン58を通過してライン66に進む。アミンは再生することができ、硫化水素がライン60中に放出される。再生されたアミンが再使用され、硫化水素は脱酸素反応ゾーンにリサイクルすることができる。第1のスクラバーゾーンに対する条件は30〜60℃の範囲の温度を含む。第1の吸着装置は、脱酸素反応ゾーンと実質的に同じ圧力で運転される。“実質的に”とは、第1の吸着装置の運転圧力が、脱酸素反応ゾーンの運転圧力の1034kPa(絶対圧)(150psia)以内である、ということを意味している。例えば、第1の吸着装置の圧力は、脱酸素反応ゾーンより低くて、1034kPa(絶対圧)(150psia)以下である。第2のアミン吸着装置ゾーンは、138kPa(絶対圧)(20psia)〜241kPa(絶対圧)(35psia)の圧力範囲にて運転される。さらに、少なくとも第1の吸着装置は、分離器の温度より1℃以上高い温度で運転される。吸着装置を分離器より高温に保つことで、すべての軽質炭化水素が気相中に保持され、軽質炭化水素が吸着装置の溶媒中に凝縮するのを防げる。] [0041] 図3を参照すると、本実施態様は、ライン46におけるディーゼル燃料沸点範囲成分の一部を、必要に応じて高温高圧水素ストリッパー8の任意の精留ゾーン23にライン46aにてリサイクルして、精留剤として使用する代わりに、ナフサボトム52の一部を、必要に応じて高温高圧水素ストリッパー8の任意の精留ゾーン23にライン52aにてリサイクルして、精留剤として使用する、という点を除いて図2に関して上記したのと同じである。] 図2 図3 [0042] 図4を参照すると、本実施態様は、ライン46におけるディーゼル燃料沸点範囲成分の一部を、必要に応じて高温高圧水素ストリッパー8の任意の精留ゾーン23にライン46aにてリサイクルして、精留剤として使用する代わりに、ライン46aにおけるディーゼル燃料沸点範囲成分とライン52aにおけるナフサボトムの一部とを合流して精留剤流れ53を形成させ、これを必要に応じて高温高圧水素ストリッパー8の任意の精留ゾーン23にリサイクルして、精留剤として使用する、という点を除いて図2に関して上記したのと同じである。] 図2 図4 [0043] 異性化・選択的水素化分解ゾーンをバイパスするノルマルパラフィンの量をできるだけ少なくすることは、得られる航空燃料の品質を大幅に低下させることなく、多くの航空燃料に対する凝固点規格に適合させるのに有効である。異性化・選択的水素化分解ゾーンをバイパスするノルマルパラフィンは異性化されず、ノルマルパラフィンは一般に、対応する異性化パラフィンより高い凝固点を有する。任意の精留ゾーンを使用したことの成功を実証するために、高温高圧水素ストリッパー中に精留ゾーンを含む場合と、含まない場合の本発明を、モデルシミュレーションにてシミュレートした。シミュレーションにおいては、蒸留物の生成を最大に設定し、ディーゼル燃料沸点範囲生成物に対する曇り点のターゲットを−10℃に設定した。任意の精留ゾーンを使用しなかった場合のシミュレーションにおいては、高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッド流れを介して異性化・選択的クラッキングゾーンをバイパスした[航空燃料沸点範囲生成物+ディーゼル燃料沸点範囲生成物]中の炭化水素の全パーセントは4.95質量%であることが決定され、また高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッド流れを介して異性化・選択的クラッキングゾーンをバイパスした航空燃料沸点範囲生成物中の炭化水素のパーセントは5.45質量%であることが決定された。次に、図2に示すように、高温高圧水素ストリッパー中に任意の精留ゾーンを使用してシミュレーションを繰り返した。このシミュレーションにおいては、高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッド流れを介して異性化・選択的クラッキングゾーンをバイパスした[航空燃料沸点範囲生成物+ディーゼル燃料沸点範囲生成物]中の炭化水素の全パーセントは1.12質量%であることが決定され、また高温高圧水素ストリッパーオーバーヘッド流れを介して異性化・選択的クラッキングゾーンをバイパスした航空燃料沸点範囲生成物中の炭化水素のパーセントは4.07質量%であることが決定された。この変化は、10.4質量%という一定の航空燃料生成物の収率にて7℃の航空燃料生成物の凝固点低下、または−40℃の一定凝固点にて9質量%の航空燃料生成物の増大に対応している。] 図2
权利要求:
請求項1 a)再生可能供給原料を第1の反応ゾーンにおいて、水素が存在する反応条件にて触媒を使用して水素化および脱酸素することによって処理して、水素、水、二酸化炭素、ならびにディーゼル燃料沸点範囲のパラフィンと航空燃料沸点範囲のパラフィンとを含む炭化水素フラクション、を含む第1の反応ゾーンの生成物流れを得ること;b)高温高圧水素ストリッパーにおいて、第1の反応ゾーンの生成物流れから、水素、水、および二酸化炭素の少なくとも一部を含む気体流れを、少なくともパラフィンを含む残部流れから選択的に分離すること;c)残部流れを、異性化・選択的クラッキング条件にて異性化・選択的水素化分解触媒と接触するよう第2の反応ゾーンに導入して、パラフィンの少なくとも一部を選択的に水素化分解し、そしてパラフィンの少なくとも一部を異性化して、分岐パラフィン高含量流れを生成させること;d)分岐パラフィン高含量流れと気体流れを冷却し、少なくとも水素と二酸化炭素を含む気体成分を液体炭化水素成分と水成分から分離すること;およびe)液体炭化水素成分を、オーバーヘッド流れ、ディーゼル燃料沸点範囲生成物、および航空燃料沸点範囲生成物に分けること;を含む、再生可能供給原料からディーゼル燃料沸点範囲生成物と航空燃料沸点範囲生成物を製造する方法。 請求項2 ディーゼル燃料沸点範囲生成物の少なくとも一部、航空燃料沸点範囲生成物の少なくとも一部、およびこれらの組み合わせ物からなる群から選択される流れを高温高圧水素ストリッパー中の精留ゾーンにリサイクルすることをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。 請求項3 オーバーヘッド流れがナフサとLPGを含み、製造方法がさらに、i)ディーゼル燃料沸点範囲生成物の少なくとも一部;ii)LPG・ナフサ流れの少なくとも一部;iii)LPG・ナフサ流れをLPG流れとナフサ流れに分けることによって生成されるナフサ流れの少なくとも一部;iv)航空燃料沸点範囲生成物の少なくとも一部;およびv)これらの任意の組み合わせ物;からなる群から選択される流れを高温高圧水素ストリッパー中の精留ゾーンにリサイクルすることを含む、請求項1に記載の製造方法。 請求項4 分岐パラフィン高含量流れが水素をさらに含み、水素の少なくとも一部を分岐パラフィン高含量流れから分離し、分岐パラフィン高含量流れから取り出された水素を高温高圧水素ストリッパーにリサイクルする、請求項1に記載の製造方法。 請求項5 少なくともパラフィンを含む残部流れの一部を、リサイクル対供給原料の体積比が2:1〜8:1の範囲にて第1の反応ゾーンにリサイクルすることをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。 請求項6 オーバーヘッド流れがLPGとナフサを含み、製造方法がさらに、LPG・ナフサ流れをLPG流れとナフサ流れに分けること、およびナフサ流れの少なくとも一部を第2の反応ゾーンにリサイクルすることを含む、請求項1に記載の製造方法。 請求項7 第2の反応ゾーンの圧力が第1の反応ゾーンの圧力より少なくとも345kPa(絶対圧)(50psia)高い状態にて、第1と第2の反応ゾーンが、40℃〜400℃の温度および689kPa(絶対圧)(100psia)〜13,790kPa(絶対圧)(2000psia)の圧力を含む条件にて運転され、高温高圧水素ストリッパーが、40℃〜300℃の温度、および第1の反応ゾーンの圧力より低くて1034kPa(絶対圧)(150psia)以下である圧力にて運転される、請求項1に記載の製造方法。 請求項8 再生可能供給原料が、石油炭化水素供給原料との混合物またはコフィードであり、石油炭化水素供給原料が、再生可能供給原料と共に処理される、請求項1に記載の製造方法。 請求項9 再生可能供給原料が、遊離脂肪酸アルキルエステル、キャノーラ油、コーン油、豆油、菜種油、大豆油、菜種油、タル油、ヒマワリ油、麻実油、オリーブ油、アマニ油、ヤシ油、ヒマシ油、落花生油、パーム油、からし油、綿実油、タロー、イエローグリースとブラウングリース、ラード、鯨油、乳脂肪、魚油、藻油、下水スラッジ、クフェア油、カメリナ油、ジャトロファ油、カーカス油、ババス油、パーム油、ハマナ油、および核油からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項1に記載の製造方法。 請求項10 請求項1に記載の製造方法によって製造されるディーゼル燃料沸点範囲生成物と航空燃料沸点範囲生成物。
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同族专利:
公开号 | 公开日 EP2254971A2|2010-12-01| CN102027098A|2011-04-20| CA2718519A1|2009-09-24| CN102027098B|2015-01-07| US20090229172A1|2009-09-17| WO2009117337A2|2009-09-24| AU2009225749A1|2009-09-24| BRPI0908591A2|2019-09-24| NZ587913A|2011-05-27| US8198492B2|2012-06-12| WO2009117337A3|2009-11-12|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-01-24| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120123 | 2012-03-03| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20120302 |
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